逮捕直後に移送のため警察署から出てきた容疑者の表情は、安心し微笑んでいるようにも見える。戦慄の事件の翌日。本誌カメラマンの前に姿を見せたのは、夫の頭をゴルフクラブで殴り殺害したとされる52歳の妻だった――。 6月18日、警視庁練馬署が殺人の疑いで逮捕したのは同区に住む無職・吉武美帆容疑者(52)だ。夫で会社員の真さん(53)の命を奪ったとされる。 「逮捕容疑の事件が起きたのは6月17日です。その日、夫妻は早朝5時ごろから練馬区内の一軒家の自宅でケンカとなり殴り合いに。腹を立てた吉武容疑者が外出し、夕方戻ると再び激しい口論になったそうです。 警察によると、真さんはゴルフクラブを持ち出し吉武容疑者の頭を殴ったとか。激高した吉武容疑者はクラブを奪い、剣道の『面』のように上から真さんの頭を殴打したとされます。殴られた後の尋常でない真さんの様子に、吉武容疑者は相当焦ったのでしょう。夜9時すぎに吉武容疑者から連絡を受けた母親が、現場の住宅を訪れると凄惨な光景が広がっていたそうです」(全国紙社会部記者) ◆「家の中が血だらけです!」 衝撃の犯行現場を目の当たりにした母親はすぐに110番通報し、こう訴えたという。 「家の中が血だらけです!」 通報を受けた警察官が駆けつけると、頭から大量の血を流し壁によりかかるように座っていた真さんを1階のトイレで発見。病院へ搬送されたが死亡が確認された。吉武容疑者も2階の一室で血を流して倒れていたが、意識はあったという。 警察の調べに対し、吉武容疑者はこう供述し容疑の一部を否認している。 「夫とケンカしました。ゴルフクラブで殴られたので、殴り返した。殺意は持っていません。死ぬとは思っていませんでした」 警察の事情聴取に応じた同居する20代の息子によると、夫妻は日常的にケンカをしていたようだ。だが、近所の評判は悪くなかったという。 「よく犬の散歩をする夫妻の姿が見られたそうです。吉武容疑者は気さくに『こんにちは』と近隣住民へ声をかけていたとか。真さんはゴルフが好きだったようで、早朝からゴルフバッグを持ってでかける姿がたびたび目撃されています」(前出・記者) 本誌カメラマンが見た、吉武容疑者の安堵したような表情は何を物語るのだろうか。警察は事件の詳しい経緯を調べている。