マカオ司法警察局は6月20日、マカオで高齢者の被害が確認された特殊詐欺(電話詐欺)事案3件に関与したとして香港と中国本土出身の男2人(いずれも20代)を逮捕したと発表。 同局によれば、同月19日午前、マカオ市民から電話詐欺の被害に遭ったとする通報が寄せられたとのこと。被害者宅の固定電話に”孫”を名乗る人物から傷害事件に絡む賠償金として3万パタカ(日本円換算:約60万円)が必要となり、これを信じて誰にも言わずに現金を用意し、自宅近くまで受け取りに来た”孫の友人”名乗る男に渡したが、同日の正午頃に再び同じ”孫”から電話があり、追加で6万パタカ(約119万円)を要求され、不審に思って娘に相談したところ、本物の孫とまったく無関係であることがわかり、娘が警察の詐欺に関する注意喚起に接していたことから、母親が詐欺被害に遭ったと警察へ通報するに至ったという。 通報を受けた同局が調査を進め、現金を受け取った香港出身の男の身元を特定。この男の動きを追っていた中、2人目の被害者から同様の詐欺被害の通報があり、現金10万パタカ(約199万円)を”弁護士”が受け取りに行くというもので、配備を進めてたところ、同じ受け子の男が被害者宅の近くに現れたため、司法警察局と治安警察局が合同で逮捕することに成功したとのこと。2人目の被害者は事前の通報により金銭的被害を免れたという。このほか、司法警察局は同日、3人目の被害者からの通報も受け、この被害者についても同様の手法で上の2件と同じ受け子に同じ現金12万パタカ(約238万円)を渡していたことが判明。 その後の調べで、男は香港の電話詐欺グループの指示を受けて動いており、詐取した現金をタイパ島で中国本土出身の男に渡していたことが判明。同日夜、司法警察局がこの現金の取りまとめ役の男を滞在先で逮捕したとのこと。この男は同局の調べに対し、現金の行方についての説明を拒否しているが、同局では上の2人の男を相当巨額詐欺、組織犯罪、マネーロンダリングの罪で検察院送致するとともに、他に関与したメンバーと詐取された現金の行方について捜査を継続するとした。 マカオでは前月(5月)以降、香港の犯罪組織が関与したとみられる電話詐欺事案が相次ぎ発生しており、同局は電話詐欺に関する累次の注意喚起情報を発出している。