真昼間の六本木に組員を引き連れ…六代目山口組の最高幹部が稲川会本部を「電撃訪問」 の特殊事情

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「ご苦労様です!」 静まり返った昼間の歓楽街に、ドスの利(き)いた野太い声が響いた――。 6月上旬のある日の午前11時。ビジネスマンが行き交う東京・六本木(港区)の一角に、指定暴力団・稲川会の組員が集まっていた。襟(えり)を正し、直立不動の男たちを従えるのは、内堀和也会長(71)だ。周辺には警視庁のパトカーが巡回し、10人近い捜査官が目を光らせている。 そんなヤクザと警察が入り乱れる緊迫した現場に、1台の高級車が乗り入れてきた。幹部3人を連れて降り立ったのは、六代目山口組の竹内照明若頭補佐(64)だ。 東西任侠界のキーマン二人が白昼の歓楽街に集(つど)った理由はなんなのか。 「二人が集まった場所には、稲川会本部があります。中では稲川会の清田次郎総裁の誕生日祝いが行われていました。友好団体の祝い事に、関係強化の狙いも込めて、竹内若頭補佐自ら足を運んだのでしょう」(ヤクザ事情に詳しいノンフィクション作家の尾島正洋氏) 会を終えると、二人は連れ立って稲川会本部を後にした(見開き写真)。開始前は緊張感ある面持ちだった二人だが、内堀会長は笑みを浮かべ、竹内若頭補佐も充実の表情を見せた。「円満会談」では何が話し合われたのか。山口組の内部事情に詳しいジャーナリストが推察する。 「例年は10分ほどですが、今回、竹内若頭補佐は20分以上にわたり滞在して内堀会長と言葉を交わしています。そこでは、近年、六代目山口組が進める『若返り人事』の説明がなされたのではないでしょうか。人事の代表例としては、2月に行われた高山清司若頭(76)の秘書役の若頭補佐昇格があります。また、昨年11月には二次団体の組の幹部が組長に昇格し、直参になっています。内堀会長への挨拶のためか、今回の訪問にはこの直参も同行しました。 体制整備を進める裏には、今年8月で10年目を迎える″山口組分裂抗争″が念頭にあると思われます。節目を前に、何が起きても迅速に対応できる組織作りを進めているのではないでしょうか」 一方で、6月7日に対立する『反・六代目山口組連合』に激震が走った。兵庫県警は組織犯罪処罰法違反の疑いで指定暴力団・絆會(きずなかい)の幹部である金澤成樹容疑者(55)ら5人を逮捕したのだ。 「金澤容疑者は昨年4月、竹内若頭補佐が会長を務める弘道会傘下の組長を射殺した実行役とされています。ただ、単なる殺人容疑ではなく、組織的殺人容疑で逮捕しており、兵庫県警はこの犯行を切り口に絆會のトップを摘発したいと意気込んでいる。神戸山口組とともに『反・六代目』の中核を成す組織ですが、もし組長が逮捕されたとなれば、解散の可能性もある。そうなれば、業界全体に影響が及びます」(兵庫県警関係者) 進む体制整備と、対立組織の衰退。そんな情勢を受けて、分裂抗争も転機を迎えつつある。 「分裂抗争10年目を目前に、神戸山口組・井上邦雄組長(75)への圧力・攻勢をより強めてもおかしくない状況にあります。今夏、状況は大きく動くかもしれません。」(前出・ジャーナリスト) 事態は、風雲急を告げようとしている。 有料版「FRIDAY GOLD」では、本誌未掲載の複数の写真を公開しています。 『FRIDAY』2024年6月28日号より

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