遺産13億円の行方決める「遺言書」は『有効』判決 紀州のドン・ファンは生前も市に1000万円超を寄付していて「矛盾はない」

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『紀州のドン・ファン』の約13億円の遺産をめぐる遺言書の裁判に判決です。 77歳で亡くなった和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助さん。貸金業や酒の卸売業など幅広く事業を展開して一代で財を成し、自宅には常に多額の現金や貴金属を置いていました。 (野崎幸助さん)「これはサルヴァドール・ダリの商品です」 8年前に自宅を取材した際には、1000万円のカフスボタンに、460万円の腕時計など、宝石箱の中身だけで5000万円相当。さらにタンスの中には1000万円の束が無造作に置かれていました。 (大吉洋平アナ)「ここにもお金を保管しているんですか。うわうわうわ、そんなところにですか。引き出しを明けたらそこに。金庫に入れた方がいいんじゃないですか本当に…」 (野崎幸助さん)「いやいや、それでいいですよ」 2016年には自伝を出版。これまでに4000人の女性と交際して30億円を貢いだと公言。スペイン演劇に登場する女性好きの人物の名前をとって『紀州のドン・ファン』を自称していました。 『いい女を抱くためだけに、私は大金持ちになった』 そんな野崎さんと2018年に結婚したのが55歳年下のモデル・須藤早貴被告。ところが、わずか3か月半後、野崎さんが自宅で死亡しているのが見つかりました。死因は急性覚醒剤中毒。殺人などの疑いで逮捕・起訴されたのは妻だった須藤早貴被告でした。 いまだ殺人事件をめぐる刑事裁判は始まっていませんが、『紀州のドン・ファン』をめぐるもう一つ注目の裁判があります。 『いごん 個人の全財産を田辺市にキフする 野崎幸助』 A4サイズほどの紙に赤い字で書かれた文字。野崎さんの遺言書とされるものが死後に見つかったのです。野崎さんの遺産は少なくとも13億円に上るとみられています。この遺言書をめぐって野崎さんの親族らが、この遺言書は「無効だ」として、田辺市側と裁判で争ってきました。 6月21日に和歌山地裁は、遺言書は「有効」とする判決を言い渡し、親族らの訴えを退けました。裁判では遺言書に書かれた筆跡が野崎さんのものかどうかが争点の一つになっていましたが、判決では「原告側(親族ら)の筆跡鑑定書は、資料の数が少ないなど、採用しがたい」「本件の遺言書は野崎さん固有の筆跡や筆癖が認められるとする市側の鑑定書には不合理な点は見当たらない」と結論付けました。また「野崎さんは長年、田辺市に対して合計1000万円を超える寄付を行ってきたことなどから、十数億円の遺産全てを自身の地元に遺贈するという内容に矛盾はない」などとしました。田辺市側の主張が認められた形です。 判決を受けて、田辺市は会見を開き、13億円の活用方法について次のように話しています。 (田辺市の担当者)「長い期間の裁判となりましたので、改めてほっとしているというのが率直な感想でございます」「市民全体の方に返すことのできるような行政活動に使っていくということになると思います」 この判決に田辺市民の反応は? 「田辺市に寄付していただけるのであれば、有効活用していただければと思います」 「本人の意思がそれだったらね、田辺市にもらってもらったらいいと思いますけどね」

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