大津市の保護司新庄博志さん(60)が自宅で殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された保護観察中の無職飯塚紘平容疑者(35)について、大津地検が刑事責任能力を調べるため鑑定留置を裁判所に請求したとみられることが20日、捜査関係者への取材で分かった。 捜査関係者によると、新庄さんの上半身には首や心臓付近を中心に刃物による10カ所以上の傷が残っていた。一方、2人の間で事前にトラブルは確認されていない。地検は、飯塚容疑者の事件当時の精神状態を見極める必要があると判断したとみられる。 飯塚容疑者は、新庄さんを殺害したとして今月8日に逮捕された。逮捕当初は「私はやっていませんし、何も答えたくありません」と容疑を否認していた。 飯塚容疑者は過去にコンビニ強盗事件を起こし、2019年6月に保護観察付き執行猶予の有罪判決を受けた。翌7月から、新庄さんが保護司として立ち直り支援を担当していた。 新庄さんは殺害されたとみられる5月24日も、飯塚容疑者と自宅で面接する予定で、インターホンのカメラに容疑者の姿が映っていた。この面接の際に襲われた可能性があるという。