防犯カメラに映らず現場に行けるか否か 直接証拠のない殺人の初公判、48歳被告が無罪主張

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大阪府羽曳野市の路上で平成30年2月、韓国籍の崔喬可(さいきょうか)さん=当時(64)=の背中を刺して殺害したとして、殺人罪に問われた崔さんの交際女性の隣人、山本孝被告(48)の裁判員裁判の初公判が10日、大阪地裁(山田裕文裁判長)で開かれた。弁護側によると、山本被告は「私はやっていません」と起訴内容を全面的に否認し、無罪を主張した。 事件に直接証拠はなく、凶器も見つかっていない。公判は9月27日の判決まで、予備日を含めて20回以上の期日が指定。現職の警察官や山本被告の家族ら16人の証人が出廷する見通しで、状況証拠によって、山本被告が犯人と証明できるかが焦点となる。被害者1人の殺人事件としては異例の長期審理となる。 検察側は冒頭陳述で、現場の住宅街は古墳の堀や用水路などに囲まれているため防犯カメラなどに映らずに入ることはできず、「住民が犯人」と指摘。現場付近のドライブレコーダー映像に映った犯人は細身の長身で、山本被告の身体的特徴と合致するほか、当時崔さんらとの隣人トラブルで「疑心暗鬼の末期状態」になっており、殺害の動機もあると主張した。 一方で弁護側は、検察側が指摘する道路以外に防犯カメラなどに映らず住宅街に入る道はあり、「密室的な場所では全くない」と反論。背後からの一撃であばら骨の隙間から心臓を突き刺す手口は「一介のサラリーマンである被告とは程遠い」とし、捜査機関は当初から捜査線上に浮かんだ山本被告が犯人だと思い込み、「無理な捜査、起訴を行った」と非難した。 起訴状や証拠調べによると、山本被告は平成30年2月17日午後9時45分ごろ、同市の路上で崔さんの背中を刃物で突き刺し、出血性ショックで死亡させたとされる。崔さんは一緒に食事をした交際女性を家に送った後、近くの駐車場に車を止め、1人で山本被告の自宅隣にある女性宅に向かって歩いていた途中だった。 大阪府警は状況証拠を積み重ね、事件発生から約4年後の令和4年2月に山本被告を逮捕。山本被告は当初から「納得できません。やっていません」と関与を否定した。

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