霊媒師などを装って「お祓いが必要」などとウソをつき、現金や貴金属を盗んだとして、中国人の男女4人が逮捕されました。大阪や兵庫などではよく似た手口の被害が30件以上相次いでいて、警察が関連を調べています。 これは今年4月、大阪・梅田の商店街に設置された防犯カメラの映像です。歩いてきた50代の女性に、黒い服の女が声を掛けました。 警察によりますと、この女は、お祓い名目で現金や貴金属を盗む犯罪グループのひとり。女は女性にこう声を掛けたといいます。 女 「不思議な力を持っている先生を知らないか」 女性がリュックから何かを取り出していると、今度はベージュのコートを着た女も登場。この女も共犯者とみられ、2人は「あなたも先生にみてもらったほうがいい」などと言って、女性を連れ出します。 さらに女性は、その後、“不思議な力を持つ”という人物から声を掛けられ…。 「家族に大変なことが起きる。現金や貴金属をお祓いする必要がある」 こう言われた女性は、現金や貴金属など少なくとも90万円相当を持ってきました。 属ちひろ 記者 「商店街から女らと一緒に出てきた被害者は、このあたりでお祓いを受けていたといい、その隙に現金などの入った袋をすり替えられたということです」 女らは最後に「お祓いの効果が薄れるから、しばらく袋を開けるな」と念押ししていて、女性は2週間後に袋を開け、ようやく被害に気付きました。 実はいま、こうしたお祓いを装った窃盗が全国で相次いでいます。 警察は5月、名古屋市内の神社でよく似た手口で現金などを盗んだとして、住居不定の中国籍、呉小瓊容疑者(60)ら男女4人を逮捕しました。 内田唯子 記者 「女たちは女性に『お祓いが必要』として、貴金属などをこちらの無関係の神社に持ってこさせたということです」 呉容疑者らは、台湾出身の60代の女性が持ってきた現金10万円や時価30万円相当のネックレスなどを、あらかじめ準備した袋に入れさせ、隙を見て、塩や水入りのペットボトルが入った袋とすり替えていたとみられています。 去年10月以降、こうした手口の被害は大阪市内や兵庫県内などで30件以上起きていて、被害は現金や貴金属など、あわせて1億2000万円を超えています。 警察は名古屋の事件と大阪の事件の犯行グループに関連がないか調べています。