蘋果日報創業者の国安法裁判で〝日本ルート〟審理 菅野志桜里氏「共謀者」、周庭氏も焦点

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中国に批判的な香港紙として知られた蘋果(ひんか)日報(アップルデイリー)の創業者、黎智英(れいちえい)(ジミー・ライ)氏(76)の香港国家安全維持法(国安法)を巡る裁判で、共謀者の一人として菅野志桜里元衆院議員(49)が名指しされた。検察側は、日本国内での政治活動を犯罪の構成要件として立証する構えだ。裁判では香港民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏(27)の言動にも改めて焦点が当たる中、〝日本ルート〟などの審理が進んでいる。 ■米国ルート 元国防副長官に送金 昨年12月18日に始まった裁判は50回を超えた。結審まで約80回の審理が見込まれている。現在、検察側証人として、30代の香港民主活動家、李宇軒氏(国安法違反の罪で起訴され勾留中)の証言が続いている。 検察側の冒頭陳述などによると、黎氏は2019年夏、「外国に香港問題への介入を求める」目的で、秘書らを通じて李氏に米、英、日本の政治家とのネットワークの形成を指示。李氏は米国のリック・スコット上院議員(共和党)、トッド・ヤング上院議員(同)らと面会したほか、英国の人権活動家、ルーク・ド・プルフォード氏(保守党)らと交流した。 このうち、米国ルートでは黎氏も自ら19年7月に訪米し、当時のペンス副大統領、ポンぺオ国務長官と面会、中国や香港当局者への制裁を呼びかけた。 黎氏はウォルフォウィッツ元米国防副長官とも親交があり、検察側によると、13~17年に黎氏の銀行口座から計約176万香港ドル(約3400万円)がウォルフォウィッツ氏側に送金されているという。 ■日本ルート 法案めぐり菅野氏支持 日本ルートの開拓は19年11月、米国で中国、香港当局者への制裁を可能にする「香港人権・民主主義法」が成立すると本格化した。 米国にはすでに、深刻な人権侵害に関与した個人・団体に制裁を科す「マグニツキー法」がある。英国にも同種の法律が整備されているが、日本にはない。日本版マグニツキー法案の早期成立を目指していたのが菅野氏だった。 検察側によると、李氏は20年初め、東京で菅野氏と面会し、菅野氏への支持を表明。知人の日本の国会議員3人にもメールで菅野氏への支持を求めた。

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