暴行した男性に被害を警察に届けないよう威迫したとして、警視庁暴力団対策課は21日までに、組織犯罪処罰法違反（強談威迫）容疑で、国内最大規模の風俗向けスカウトグループ「ナチュラル」幹部の佐藤雄己容疑者（30）＝東京都新宿区下落合＝を逮捕し、幹部補佐の佐久間裕也容疑者（28）を再逮捕した。 同課は認否を明らかにしていない。 ナチュラルは、スカウトした女性を風俗店やキャバクラなどに違法に紹介し、多額の紹介料を得ていた。同課は資金の一部が暴力団に流出していたとみて詳しく調べる。 逮捕容疑は監禁、暴行したナチュラルメンバーの男性（30）に4月22日、示談して被害を警察に届けないようにしようと、電話で「お互い1通ずつ持っていればこれで終わりにできる」などと威迫した疑い。 佐藤容疑者は、ナチュラルでスカウト活動などを支援する「本社機能」の統括補佐役だった。同課はグループ内で立場が低い男性に対し、長時間、被害の取り下げを迫った行為が強談威迫に当たると判断した。 ナチュラルは新宿区歌舞伎町のほか、宮城、熊本各県など全国の繁華街で活動。メンバーは1000人以上とみられる。