若者の間で薬物汚染が広がるなか、大麻について、今国会で罰則を設けようという議論が進んでいます。薬物事件で過去に逮捕され、いまは依存症への理解を深めるための啓発活動を行う俳優の高知東生さんと考えます。 ■ 大麻「使用罪」創設へ 国会で審議 大麻をめぐっては、今国会で大麻取締法などの改正案が審議されています。 1つの柱は、大麻から製造された医薬品の使用を可能とするもの。もう1つの柱は、大麻の「使用罪」の創設です。すでに禁止されている「所持」などに加え、覚醒剤など、他の薬物と同様に使用を禁止するものです。 今、参議院で審議中で、政府は今の国会で成立を目指す方針です。 大麻の罰則を強化する狙いについて、武見厚生労働大臣は… 武見敬三 厚労大臣 「大麻については使用罪がない。従って『大麻を使用しても良い』という誤ったメッセージとなっていた側面がある。使用罪を適用することで、乱用の拡大の歯止めに繋がると考えている」 薬物依存治療の研究の第一人者・松本俊彦さんは。 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 松本俊彦 薬物依存研究部長 「最初の1回を使わせないことの啓発にすごく力を注いでいて、 今、乱用している方たち、依存症で今はやめているが再発するかもしれない方たちに対する支援が不十分。 二次予防・三次予防が先進国の中でも最低レベル」 大麻への罰則強化について、街の人は… 60代 「それは絶対してほしい」 「賛成です。(大麻の防止に)多少は影響あるんじゃないか」 10代 「厳しくするのは大切だと思いますし、『大麻は危険』ということをもっと小さいうちから、教育などをしていく方が良いんじゃないか」 ■国際的に深刻になっている「薬物問題」 星さん: この国会で議論されている法案はこれから検討すべきテーマが多いんですが、薬物の問題って国際的に深刻になってるんですよね。 先日の米中首脳会談でもアメリカ側が中国に薬物の生産をやめなさいっていうことを議題にするぐらいの深刻な状態になっています。国際的にも犯罪組織の資金源になっていたりして、これは相当強硬に対応しなきゃいけないですね。 ただ一方で大事なのは、犯罪に対して厳格な対応をすることと、更生・予防を十分にやることは対立する概念ではないので、双方にどう取り組んでいくのかが課題になっていると思いますね。