兵庫県の外郭団体「兵庫県道路公社」の発注工事を巡る贈収賄事件を受け、県は20日、官製談合防止法違反や収賄などの疑いで逮捕、起訴された土木部総務課主査、豊島辰吾被告(38)を懲戒免職処分とした。また、土木部職員2人について、事件当時の上司としての管理監督責任を問い、戒告処分とした。 県などによると、豊島被告は令和2年4月から道路公社播但連絡道路管理事務所に派遣され、昨年4月からは工事の設計積算などを担当。入札下限額の算出に必要な情報を知り得る立場だったという。 今年3月に兵庫県姫路市と朝来市を結ぶ「播但連絡道路」の維持修繕工事の一般競争入札で業者側に工事価格などを漏洩(ろうえい)。昨年4月~今年9月までの間、入札で便宜を図った謝礼などと知りながら、業者側から57回にわたり計約85万円相当の飲食接待などを受けていた。この中で今年3月には、大阪市北区のクラブで業者側に約9万6千円の飲食代を支払わせていたという。 保釈後、県の聴取に対し豊島被告は起訴内容を全面的に認めたという。事件を受け、県道路公社は入札に関する情報が漏洩しないよう新たな仕組みを導入するほか、土木関連の部署に所属する職員に特別研修を実施するなどして再発防止に努めるとしている。 同公社の飯塚功一理事長は「元職員が在職中に収賄の罪で起訴されたことについて心からおわび申し上げる。再発防止に努め、信頼回復に全力で取り組んでいく」と謝罪した。