那覇市で相次ぐ強盗致傷事件 被害にあわないための心がけは

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今年に入って夜間に1人でいるところを狙われる強盗致傷事件が那覇市で相次ぎ、模倣して犯行に及ぶケースも確認されています。事件が起きる背景と被害にあわないためにどうすればいいのかを考えます。 今月13日の深夜、那覇市泊で起きた強盗致傷事件。発生宿泊先に戻ろうと路上を歩いていた観光客の男性が2人組に背後から突然襲われスマートフォンを奪われました。 2人組は現場から逃走し、男性は顔の骨を折る大けがをしました。 現場は閑静な住宅街で近くには小学校やこども園もあります。 こども園の関係者 「まだ捕まっていないから不安ですね。早く捕まってほしいですね」 「(事件の日は)用心して外に出ないように子どもたちと中で過ごした」 現場近くで仕事をする男性 「怖いという思いが一番ありますし、小学校や学校も近いので心配です」 今年6月、那覇市壺屋で帰宅途中の男性が殴られ携帯電話と買い物袋を奪われ顔の骨を折る強盗致傷事件が発生。 8月にかけて那覇市若狭と久米でも同様の手口の強盗致傷事件が起き高校生を含む少年ら7人が逮捕されました。 その後、一連の犯行を模倣した事件も発生しました。 高良琉海子記者 「昼間は明るい公園ですが街頭が少なく夜は暗くなり人気もなくなります。逮捕された3人は今年6月に近くで起きた強盗致傷事件を模倣して犯行に及びました」 3人のSNSでのやりとり(抜粋) 「最近ニュースで見た、酔っ払った男からカバンを盗んだ事件」 「きょう俺たちもいこう」 「俺たちなら捕まらない」 9月に那覇市松山で起きたひったくり事件の容疑者として逮捕されたのは、いずれも17歳の高校生3人で「相次いだ強盗致傷事件を真似て犯行に及んだ」と供述しました。 沖縄総合事務局の防犯パトロール隊、通称青パトは警察と連携しながら街灯や人通りが少ない道を午後7時頃からパトロールし少年への声掛けなども行います。 重大な犯罪が対象となる裁判員裁判でその罪が裁かれる強盗致傷。 去年1年間、国内で開かれた強盗致傷事件の裁判員裁判で有罪判決となったのは120件で、このうち105件が執行猶予のつかない実刑判決でした。 重い刑罰を受ける強盗致傷事件が相次ぐ背景について、犯罪に関連する法律を研究する琉球大学法科大学院の矢野恵美教授に伺いました。 琉球大学法科大学院矢野恵美教授 「最近の犯罪の傾向を見ているとやはり、当初の計画では、本人たちは人を傷つけるつもりはない、いわゆるその窃盗罪のつもりで参加しているっていうケースが多いように思うんですね」 「(被害者が)逃げようとして、暗闇で橋から落ちてしまい亡くなってしまった。これも強盗致死なんですよね。やる方は窃盗罪で終わらせるつもりだったといっても、本当にあっという間に強盗罪や強盗致傷、強盗致死になってしまう」 強盗罪は殺人・放火・不同意性交と並ぶ凶悪犯罪とされ、警察は捜査を尽くして検挙に繋げています。 今月13日付で沖縄県警が発表した統計では、今年に入って先月末までに認知された52件の凶悪犯罪のうち48件が検挙されています。 相次ぐ強盗致傷事件を捜査する那覇警察署の副署長は沖縄テレビの取材に「警察として一日も早く解決すべく署員の総力を挙げて捜査を行っています」とコメントしました。 また、夜間に1人でいる時を狙った強盗やひったくりの被害に遭わないよう注意を呼びかけています。 外を出歩くことは何ら責められることではありませんが、どうすれば犯罪に巻き込まれにくいか知ることも大切です。 那覇警察署が呼びかけている被害に遭わないための3つの心がけです。 1:深夜に徒歩で帰る際にはなるべく明るい道、人通りの多い場所を歩くこと。 2:「ながらスマホ」はしないこと。イヤホンやヘッドホンをつけたりスマートフォンの画面に集中していると近づいてくる人に気付くことができない恐れがあるためです。 3:バッグなどは身体から離さずに持つこと。自転車の籠に入れているとすれ違いざまにひったくられる恐れもあります。 犯罪の起きない街づくり・社会づくりをすることが何より重要ですが、被害にあわないようにして犯罪を遠ざけることも必要なのかもしれません。

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