保釈中の被告にGPSも、逃走罪拡大 改正刑訴法成立、被害者匿名化も

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保釈された被告らの逃亡防止のために衛星利用測位システム(GPS)搭載端末の装着を命令できる制度の導入を柱とする刑事訴訟法などの改正案が10日、参院本会議で可決、成立した。刑務所などからの逃亡を処罰する逃走罪の適用対象を逮捕された容疑者などに拡大し、法定刑を引き上げる。 GPS端末の装着命令は公布後5年以内に施行するとしており、法務省は端末や通報システムなどの仕様を今後、詰める方針。逃走罪の対象拡大などは順次、施行する。 保釈中の被告の逃走を巡っては、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(69)が令和元年12月に海外逃亡するなどの事案が相次ぎ、法制審議会(法相の諮問機関)が3年10月、GPS端末装着を命じる制度の新設を答申していた。 装着命令の対象は、海外に拠点がある企業の幹部など、海外逃亡の恐れがある被告に限定。空港周辺など裁判所が立ち入りを禁じた区域に入ったり、端末を外したりした場合、位置情報を検知して身柄を拘束し、1年以下の拘禁刑(懲役・禁錮に代わる刑)を科す。 公判に出頭しないと罰する「不出頭罪」、指定された住所を一定期間離れることを禁じる「制限住居離脱罪」を新設し、それぞれ2年以下の拘禁刑とする。 公判に被告と一緒に出頭し、被告の生活状況などを報告する義務を負う「監督者」を裁判所が選任できる制度も創設。監督者には被告の保釈保証金とは別に、監督保証金を納めさせる。 拘禁刑以上の罪で起訴された被告は、これまで不要だった控訴審の判決公判への出頭を義務付ける。実刑判決を受けた被告の出国制限を裁判所が命じることができる規定も設ける。 また、これまで被告や受刑者に限られていた逃走罪の対象を、逮捕された容疑者など、法令で拘束された者全般に拡大。懲役1年以下だった法定刑を同3年以下に引き上げる。 性犯罪被害者らの氏名や住所などの個人情報を被告に伏せるため、被告に示す起訴状などを匿名化できる制度も新たに整備した。

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