2022年 2月 の投稿一覧

「いきなり立派な親になれる人はいません」 “ワンオペ育児”による悲劇を無くすには

育児を1人の親が担う「ワンオペ育児」が再びクローズアップされている。きっかけになったのは、愛知県一宮市の住宅で幼い姉妹3人が遺体で見つかり、27歳の母親が殺人未遂の容疑で逮捕された事件。SNS上では、生後9か月、3歳、5歳の尊い命が奪われた痛ましい事件に悲しみが広がる一方で、幼い子どもをワンオペで育てる親からは「他人事とは思えない」「明日は我が身」との声が相次いだ。事件は防ぐことはできたのか。また、同じような境遇に悩む親はどうすればいいのか。専門家に聞いた。 報道によると、事件は10日夜、愛知県一宮市の住宅で発生。容疑者の女性は「殺すつもりはなかった」「気持ちが不安定だった」と供述し、首や手首には自殺を図った痕跡があったという。女性が家事や育児を1人で担う「ワンオペ育児」だった可能性が報じられると、ツイッター上では「やってしまったことは許されないけど、同じ立場だから気持ちはすごくよくわかる」「ワンオペ育児の大変さはもっと多くの人に知られるべき」など、類似した境遇で悩む親からの“悲痛な声”が次々と上がった。 母親が育児に悩むあまり、精神的に追い詰められた状態にあったことは想像できる。状況的に無理心中を図った可能性も指摘されているが、悲惨な事件を未然に防ぐことはできなかったのか。 子どもへの虐待防止支援を行うNPO法人CAPNAの兼田智彦理事は、「無理心中はうつ病などの精神疾患を患っているケースがほとんどです」と話した上で、虐待との違いをこう説明する。 「この20年で虐待防止の体制作りはだいぶ進みましたが、無理心中の防止はほとんど進んでいません。虐待であれば傷や泣き声など子ども側からもサインがありますが、無理心中の場合はそれがないからです。前兆をつかむのは非常に難しく、夫ですら気づけない場合がほとんどです。虐待と違い、事件となるまでは子どもに被害があるわけではないので、本人が望まない以上、無理やり介入することもできません」 衝動的に起こることもある親子心中。親も含めてSOSサインの把握しづらさが、支援を困難にしている側面がある。 一方で、ワンオペ育児は、どのように解消すればいいのか。NPO法人児童虐待防止協会の津崎哲郎理事長は、育児の担い手が孤立する一因に、時代の流れの中で子育てのあり方そのものが変化した影響を指摘する。 「ひと昔前のお母さんは男親の協力がなくとも女手ひとつで5人も6人も子を育てていたと言われますが、その頃は親族はもちろん、近隣住民も子育てに協力的で、地域全体で子どもを見守る土壌があった。今は都市化が進み、あちこちで共同体が崩壊するなかで、子を持つ母親の孤立化が進んでいる。若い世代の育児能力が低下しているとの声もありますが、そもそも育児とは経験値によるところが非常に大きく、親世代からその経験を受け継ぐ環境もないまま、いきなり立派な親になれる人はいません」 かつては都市部で進んでいた核家族化が地方でも増えており、問題の根は深い。また、ここ2年はコロナ禍で出産のための里帰りができなかったり、産後の帰省ができないケースも珍しくなくなった。出だしからほかに頼れる人がおらず、睡眠不足も重なれば、負担はますます大きくなる。産後うつの発症につながる可能性もある。 津崎理事長は「コロナ禍で(保健師らが)自宅を訪問したり、直接的な支援ができなくなっている事情もある。親や友達にも相談できず、1人で抱え込んでしまうことも増えています。ただ、支援はたくさんある。育児に悩んでいる方は、迷わず手を挙げて知らせていただけたら」と訴えた。 痛ましい事件をなくすためには社会全体で考えなくてはいけない。

13歳少女に客引き・接客させる 男2人逮捕 神戸のガールズバー

18歳未満と知りながら女子中学生を神戸市のガールズバーで働かせたとして、経営者が逮捕されました。 ガールズバーの経営者だった、川崎翔吾容疑者(24)と島本義典容疑者(24)は、去年12月、当時中学2年の女子生徒(当時13)に、18歳未満と知ったうえで客引きや接客をさせた疑いがもたれています。 川崎容疑者は容疑を認め、島本容疑者は「13歳とは思わなかった」と容疑の一部を否認しています。

自動車部品大手「マレリ」が事業再生ADR申請へ…日産の業績悪化とEV普及で窮地に(有森隆)

大手自動車部品メーカーのマレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)が3月上旬にも、第三者機関に事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)の活用を申請する。マレリは25を超える金融機関から融資を受けており、その中には中国やシンガポールの銀行もある。これが難題だ。事業再生ADRを申請する際、すべての金融機関の同意が必要になるからだ。 マレリの2020年12月末時点の借入額は約1兆1000億円あり、メインバンクのみずほ銀行が200億円のつなぎ融資をするほか、みずほ銀と日本政策投資銀行は、マレリが両行に預ける400億円の預金の取り崩しを認める。また、3月以降に返済期日を迎える約500億円の返済を繰り延べる。 みずほ銀などメガバンク3行は21年10~12月期にマレリの債務者区分を引き下げ、貸倒引当金を積み増している。最悪の事態に備えたわけだ。このほか、みずほ銀の親会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)は21年4~12月期決算で、貸し倒れに備えて引き当てる与信費用を同年9月中間決算時と比べて約1000億円を積み増した。 ■次世代車向け製品を売り込む戦略を描いていたが…… 旧カルソニックは日産の連結子会社だった。日産前会長のカルロス・ゴーン被告が系列切りを断行した際も、カルソニックだけは残したと言われるが、その後、処分対象となった。2016年、日産はカルソニックの全株式を米投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却すると発表。KKRは関連会社を通じ、総額約4893億円で株式公開買い付け(TOB)を実施し、カルソニックを完全子会社とする一方、18年には欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(現・ステランティス)の自動車部品部門だったマニエッテイ・マレリを58億ユーロ(約7200億円)で買収すると発表。翌年に買収が完了し、カルソニックとマニエッテイ・マレリが経営統合して社名をマレリに変更した。 カルソニックの社長兼CEOのベダ・ボルゼニウス氏がマレリのCEOに就任。事業会社マレリ株を100%保有する持ち株会社がマレリホールディングスである。 旧カルソニックは自動車の空調システムやコックビット製品を製造。旧マニッテイ・マレリはモーターなどEV向け製品に強い。統合したマレリは、マニエッテイ・マレリの知名度を生かし、自動車各社に次世代車向け製品を売り込む──というシナリオを描いていたものの、20年12月期の売上高は約1兆2000億円で、最終損益は282億円の赤字だった。21年12月期も数百億円規模の最終赤字だったとみられる。 ■EV普及で戦略の見直しを求められる部品メーカー マレリの不振はかつての親会社で、主要取引先の日産の業績悪化があるとされる。ゴーン前会長が巨額報酬をめぐる不正事件で18年11月に逮捕され、公判中にレバノンへ逃亡し、日産の経営は大混乱に陥った。日産の生産台数はピーク時に年間570万台規模まで拡大したが、現在は380万台まで縮小。200万台の減少は系列部品メーカーにとっても厳しいだろう。 マレリは20年5月、KKRやみずほ銀など国内大手行から計1300億円の資金を調達。世界的な半導体不足など供給制約で生産の回復が遅れる中、さいたま市の本社売却や生産拠点の統合など経費削減を進めてきた。 一方、緊急的支援を要請された日産はカルソニックの再建に前向きではなく、マリルが抱えている在庫の引き取りや受注の確約、海外工場の撤退に伴う費用負担などを求めたという。日産は他の部品メーカーからの納品も滞っている状況といい、マレリからの部品の買い取りを留保しているとも伝えられる。 昨年、マレリのベダ・ボルゼニウス最高経営責任者(CEO)が辞任し、親会社KKRのパートナーあるディシュ・パリワル氏がマレリの経営に当たるが、果たして経営危機に陥ったマレリの転売先を見つけられるのだろうか。 脱炭素の流れを受けて、EVの普及が急激に進むとみられ、今後、自動車部品メーカーの経営は一段と厳しくなるとみられる。ガソリンエンジンではないEVは多くの部品を必要としないため、部品メーカー各社はEV化のための製品の見直しや巨額な設備投資が求められることになる。自力でEVのための資金を確保するのは大変だ。 マレリはEVシフトの荒波に沈んでしまうのか? 世界の自動車部品メーカーのトップが今後の展開を注視している。 (有森隆/経済ジャーナリスト)

《ブラジル》W杯優勝2度の名キーパーが実は軍政内通者だったと告発

ペレと共にブラジルのサッカーW杯の世界一に貢献した名ゴールキーパー、ジウマールことジウマール・ドス・サントス・ネーヴェスが軍事政権時代に軍部の内通者だったことが死後明らかにされた。18日付現地紙が報じている。 これはサンパウロ州真相究明委員会のリーダーをつとめていた元サンパウロ州議のアドリアーノ・ジオゴ氏が明らかにしたもので、ジャーナリストのジュッカ・キフリ氏が報じた。 それによるとジオゴ氏はサンパウロ総合大学(USP)の学生だった1973年に政治運動で逮捕された際、サンパウロ市南部にあった陸軍秘密警察(DOI-Codi)の中で90日間の拘留にあった際、政治犯が拷問などを受けている中、ジウマールが刑務所の中を歩いているのを何度か見かけたという。そこでは極秘裏に政治犯への拷問や殺害が行われていた。 「その時、看守は私にジウマールのことを教えてくれたんだが、彼によるとジウマールは軍部にとっての良き友人で、情報提供者だったということだった」と語っている。ジオゴ氏は、父親が大のジウマール・ファンであったことから幼い頃から顔もよく知っていたという。 またジオゴ氏によると、ジウマールは現役引退後に2つの自動車販売店を経営していたという。彼はそこで、逮捕者の車を警察が使えるように書類を書き換えるなどの便宜を図り、軍や警察との仲を深めていたようだという。 ジウマール本人は2013年に脳血管障害(AVC)のため83歳で亡くなっている。彼の肉親では今年の2月に、息子のマルセロ・イザール・ネーヴェス氏が近隣住民に対しユダヤ人差別的な言動を行ったことで訴えられ、有罪判決を受けている。 ジウマールはコリンチャンスやサントスのキーパーとして50年代から60年代にかけて活躍。代表キーパーとして1958、62年のW杯大会にレギュラーで出場し2度の世界一に貢献している。当時のスター選手だったペレとはサントスのチームメイトでもあり、1962年と63年には共にクラブ世界一にも輝いている。

「GPS悪用」女性の位置情報を不正取得の疑いで男を送検 「改正ストーカー規制法」宮城県内初適用

元交際相手の女性にストーカー行為をしたとして、1月に逮捕された宮城県岩沼市の54歳の男が、女性の車にGPS機器を取り付けて位置情報を取得していたとして、警察は容疑内容に「GPS悪用」を加えて送検したと、2月18日に発表しました。2021年8月に改正されたストーカー規制法で新たに規制の対象となった「GPS悪用」が適用されるのは宮城県内では初めてです。 宮城県岩沼市桜5丁目の無職、我妻隆一容疑者(54)は、警察から禁止命令を受けていたにも関わらず、元交際相手の50代の女性の勤務先の近くをうろついたとして、1月、ストーカー規制法違反の疑いで逮捕されました。 警察のその後の調べで、我妻容疑者は1月26日、この女性の車にGPS機器を取り付け、車の位置情報を自分のスマートフォンで不正に取得していたことがわかり、警察は容疑に「GPS悪用」を加えて17日、送検しました。 警察の調べに対し我妻容疑者は「間違いない」と、GPS悪用の容疑を認めているということです。 GPS悪用は、2021年8月に改正されたストーカー規制法で新たに対象となったもので、宮城県内での適用は初めてです。 また我妻容疑者は、元交際相手の女性の知人男性の戸籍謄本と住民票の写しを偽造した委任状を使って受け取ったとして、偽造有印私文書行使などの疑いで18日再逮捕されました。