石川県能美市による災害時の非常食や段ボールベッドの購入をめぐり、便宜を図ったとして、市の参事らが逮捕された事件で、警察は19日、能美市役所に捜索に入りました。 官製談合防止法違反などの疑いで逮捕されたのは、能美市危機管理課参事の小谷内正人容疑者(60)と、富山市で防災資器材を販売する「カワノ」の取締役・吉川晃平容疑者(39)です。 警察によりますと、小谷内容疑者はおととし、能美市が災害用に備蓄するレトルト食品や段ボールベッドの購入をめぐり、カワノの取引先企業に受注させようと、事前に公表されていない物品の品名や数を吉川容疑者に漏らしたなどの疑いがもたれています。 能美市役所には19日午前9時ごろ、およそ20人の捜査員が入り、家宅捜索を始めました。警察は19日にも容疑者2人の身柄を検察庁に送り、金品のやり取りがなかったかを含めて調べを進める方針です。
2022年 2月 の投稿一覧
被害者・加害者共に91歳…自転車に乗っていた男性 後ろから来た軽トラにはねられ死亡 運転手を現行犯逮捕
愛知県岡崎市で18日、自転車に乗っていた91歳の男性が、91歳の男が運転する軽トラックにはねられ、死亡しました。 警察によりますと、18日午前10時半すぎ、岡崎市土井町西原田の県道で、近くに住む武田英雄さん(91)が、自転車で走行中、後ろから軽トラックにはねられ、19日朝搬送先の病院で死亡が確認されました。 警察は、軽トラックを運転していた岡崎市の無職の91歳の男を過失運転致傷の現行犯で逮捕しました。 調べに対して男は容疑を認めていて、警察は容疑を過失運転致死に切り替え、捜査する方針です。
「クラスの女の子の体を触っていたのを見た」児ポルで逮捕の“わいせつ教諭”、別の小学校でのわいせつ行為で停職の過去 逮捕からみえた新法律の「穴」とは
東京・江東区の公立小学校教諭の男が、女子児童を盗撮したとみられるわいせつ画像を所持していたとして警視庁に逮捕された事件。取材を進めると、男が別の小学校で児童へのわいせつ行為を行い、停職処分を受けていたことが明らかになった。なぜ、子どもにわいせつ行為をしたとして処分を受けた教員が再び教壇に立つことができたのかーー。今回の事件を取材するなかで浮き彫りとなった、新たな法律「わいせつ教員対策法」の課題とともに詳報する。 ■担任をしていた女子児童の着替えを盗撮か わいせつ教諭を逮捕 今月12日、江東区の公立小学校教諭・河嶌健容疑者(46)が、児童ポルノ禁止法違反の容疑で逮捕された。河嶌容疑者は、女子児童が着替える様子を盗撮したとみられる動画や画像をスマートフォンに保存し、所持していた疑いがもたれている。警視庁によると、この画像に写っていたのは、当時、河嶌容疑者が担任を受け持っていたクラスの女子児童だったとみられる。 ■「体を触られた」ーー発覚のきっかけは学校からの被害相談 「河嶌先生に体を触られた」 去年11月、別の女子児童から小学校に寄せられた被害相談が今回の事件発覚のきっかけだった。その後、小学校から相談を受けた警視庁が、先月17日に河嶌容疑者の自宅を家宅捜索。スマートフォンに保存された複数の女子児童を盗撮したとみられる動画や画像、計18点が見つかった。逮捕容疑になった被害の女子児童は、運動着に書かれていた名前から特定に至ったという。河嶌容疑者のスマホからはこのほか、インターネットからダウンロードされた児童ポルノ画像が計1000点以上見つかった。 ■別の小学校で女子児童に“わいせつ行為”3か月の停職処分の過去 さらに取材を進めると、河嶌容疑者の“ある過去”が明らかになった。板橋区の公立小学校で女子児童の体を触るなどのわいせつ行為をしたとして、2017年に3か月の停職処分を受けていたのだ。当時、都の教育委員会は警察に相談することもなく、処分については「総合的判断」によって「懲戒免職」ではなく「停職」の判断を下していたという。 ■卒業生が証言する「河嶌先生」の姿 この板橋区の小学校の卒業生は、当時の河嶌容疑者への“違和感”を語った。 「河嶌先生がその女の子の頭を撫でたり、あとは膝の上に乗せて、ハグみたいに後ろから抱きついてるようなところも目撃しました。廊下とかですれ違うときには、ほぼ毎回というか。必ずと言っていいほどその女の子と河嶌先生が一緒にいる光景を見た気がします。当時は正直まだ善悪の区別があまりついていなかったので、そういう光景を見ても、ただ仲がいいだけなんだろうなという感じに思っていましたね」 さらに、河嶌容疑者が担任だったという別の卒業生はこう明かす。 「当時はクラスの女の子の体を触ったり、暴言を吐いたり、授業を放棄することもありました。自分が小4の時に校長先生に被害を伝えたけど、特に何も対応はしてくれませんでした」 ■“わいせつ教諭”はなぜ、再び教壇に立てたのか 河嶌容疑者は停職処分の後、2018年に今回の事件の現場となった江東区の公立小学校へ異動する。そもそもなぜ、子どもにわいせつな行為をしたとして処分を受けた教員が再び教壇に立つことができたのか。都の教育委員会に、当時の処分について取材を申し入れたが、「規定上、個別の職員の過去の処分歴については公にできないので、お答えできません。今回の逮捕については、非常に悪質だと受け止めており、厳正に対処していく」などと述べるにとどまった。 では、河嶌容疑者の異動を受け入れた、江東区の教育委員会はどう対処していたのだろうか。担当者は「以前、別の区の小学校で河嶌容疑者がわいせつ事案を行った、という情報は、江東区に異動してくる際に東京都から共有されていたが、江東区には異動を拒否する権限はなく、都が決めた人事異動を受け入れるしかなかった」と厳しい立場を明らかにした上で、「区や学校ごとに注視していくしかない状況で、毎月、東京都と学校がそれぞれ主催する、服務事故防止の研修を受けてもらっていたが、河嶌容疑者は問題なく参加していた。昨年の12月が服務事故防止月間で、偶然にも、その時のテーマがわいせつに関わる内容だった」と話した。 ■「わいせつ教員対策法」は被害防止につながるのか 河嶌容疑者のケースは氷山の一角にすぎない。文科省によると、2020年度に児童生徒などへの性犯罪や性的暴行で懲戒処分を受けた教職員は96人。このうち91人が免職となっている。こうした現状を受けて去年5月、教員による児童生徒へのわいせつ行為をなくすことを目的に「わいせつ教員対策法」が成立した。これまでは、免職となった教員でも3年経てば再取得できたが、ことし4月に施行される新法では、わいせつ行為で「懲戒免職」となり教員免許を失効した場合、再び免許を与えてよいかどうかを、各都道府県の教育委員会が判断できるようになる。さらに、犯罪の疑いがある場合には、すみやかに警察に「通報」することなども盛り込まれている。 ■今回の逮捕でみえた新法律の「穴」 しかし、課題もある。新法ではあくまで「懲戒免職」となった教員のみを対象にしている。河嶌容疑者のように、過去に児童へのわいせつ行為を行っていても、免職にならない限り、再び教壇に戻ることができるのである。 自らも教員による性被害にあった経験がある「全国学校ハラスメント被害者連絡会」の大竹宏美氏は次のように指摘する。 「次の被害者を出さないように、一度でもわいせつ行為をした人については教員免許を剥奪して子どものそばに近づけないようにすべきです。幼いときには、気持ちが悪いことをされてるとか、嫌なことをされているとわかる子はわかりますが、わからない子はわからない。そのときには自分が受けた行為がわいせつ行為だとわからず、成長してからわいせつ行為だったと気づくことがあります。しかし訴えようにも時効があり、泣き寝入りのケースも少なくないんです」 近年、両親が共働きの核家族が増えている中、子どもは親に迷惑をかけたくないという心理が働き、性被害にあっていても親に相談できない状況にあることは少なくないという。普段から他愛のない会話を増やし、子どもが話しやすい環境を作ることが大切。親は子どもが出すサインを見逃さないようにしてほしいと、大竹氏は強く訴えた。 河嶌容疑者は逮捕当初「弁護士が来てから話します」と認否を留保していたが、警視庁によると未だに黙秘を続けているという。新法は、子どもたちを性暴力の被害から守り、“わいせつ教諭”の根絶につながるのか。「わいせつ教員対策法」は4月1日に施行される。 TBSテレビ社会部警視庁担当 寺島尚彦 (19日09:32)
真っ赤に染まった包帯、殉職した仲間を前に「民主警察のつらさ感じた」 あさま山荘事件50年、元警察トップが振り返る現場
1972年2月、真冬の長野県軽井沢町の山荘で、未曽有の立てこもり事件が起きた。千人を超す警察官、山荘にぶつかる巨大な鉄球、犯人側の激しい銃撃、そして死者―。過激派の連合赤軍によるあさま山荘事件だ。元警察庁長官で、当時は広報担当として現場にいた国松孝次さん(84)がインタビューに応じ、時代の転換点となった事件の様子や背景を振り返った。後にオウム真理教事件のさなかに何者かに銃撃され、生死の境をさまよった治安組織の元トップが語る事件の教訓とは。(共同通信=岩橋拓郎) ▽真っ白な現場 連合赤軍が立てこもりを始めたのは1972年2月19日。当時、国松さんは警視庁広報課長を務めていた。武装した過激派による立てこもりは大ニュースとなり、報道陣は長野県警担当はもちろん、警視庁担当記者も多数が現場に押し寄せた。テレビ局や雑誌なども含めて千人を超え、記者会見の仕切りや関係機関との調整役として国松さんに白羽の矢が立った。
ミッシェル監督の遺作「ゴヤの名画と優しい泥棒」で名優ブロードベントとミレンが老練のやりとり
こんなお年寄りが近所にいたらきっと「めんどうな人」と思うだろう。 ロンドン近郊の小さな町に住むバントン氏はBBCの受信料拒否を続け、徴収人とのトラブルを繰り返す。タクシー運転手としては客の気分にお構いなく話し続ける。自身の才能を疑わず、毎夜書く我流の戯曲を放送局に送り続けている。空気の読めない人なのだ。 だが、社会的弱者のためという姿勢は一貫している。BBCとの「闘争」は、社会から切り離された貧しい高齢者が公共放送を見る権利を守るためであり、転職先のパン工場で、上司がパキスタン従業員への差別的な態度を取れば、決して許さない。 「ゴヤの名画と優しい泥棒」(25日公開)は、実在のケンプトン・バントン氏が61年に起こした名画盗難事件をユーモアたっぷりに描いている。 バントン氏(ジム・ブロードベント)が勝手放題しても家庭が崩壊しないのは妻のドロシーさん(ヘレン・ミレン)がいるからで、彼女は夫の行動をなじりながらも、家政婦として働き、家計を支えている。夫妻には娘を事故で亡くした悲しい過去があるが、同居している息子(フィオン・ホワイトヘッド)は素直な青年で、それなりに「円満」な日々を送っている。 そんなバントン氏がロンドン国立美術館(ナショナル・ギャラリー)に展示されていたゴヤの名画「ウェリントン公爵」盗難事件を巻き起こす。なぜ、どうやって-は興趣をそぐことになるのでここでは触れないが、彼なりの「正当な行動」は、結果として警察捜査の裏をかくことになり、逮捕後も裁判を通じて、今の尺度からすれば何とも時代遅れの当時のさまざまな「権威」をあざ笑うことになる。 実話とは思えない展開が、「ノッティングヒルの恋人」で知られるロジャー・ミッシェル監督の小気味いい演出に乗り、引き込まれる。随所で笑わされる。 正しい主張を続ければ必ず世の中は良くなる、というあまりにも楽天的なバントン氏の考え方がいつの間にか染みてくる。脚本のクライブ・コールマンは「社会が以前より分裂し、より憎しみが増しているように見える今こそ、バントン氏は英雄です」と言う。 もう1本の糸としてストーリーに絡むのが夫妻の亡き娘への思いだ。思い出はつらすぎて、どちらも言葉に出すことが無い。それぞれの思いを訝り、いつの間にか見えない溝になっている。互いに思いを吐露し、氷解する終盤にジンとさせられる。 残念ながらこれがミッシェル監督の遺作となってしまったが、名優ブロードベントとミレンは老練のやりとりで最後のメガホンに応えている。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)