不明金は計45人分2441万7396円 認知症の高齢者支援サービスで横領疑い 元社協職員を逮捕

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沖縄県警八重山署は5日、認知症高齢者らを支援する福祉サービス「日常生活自立支援事業」利用者の現金19万円を横領したとして、石垣市社会福祉協議会の元職員で、会社員の容疑者(36)=同市=を業務上横領の疑いで逮捕した。同署によると、調べに容疑を認めている。また市社協は同日までに、受領署名が確認できないなど同事業の使途不明金が利用者45人分、計2441万7396円あると発表した。 日常生活自立支援事業は、認知症高齢者らの通帳を預かるなどして、生活費の受け渡しや支払い代行など日常的な金銭管理を支援する事業。市社協によると使途不明金の発生時期は2014年4月~19年7月の間。同容疑者による私的流用の可能性がある金額は「ごく一部と思われる」としているが、横領したとされる全額は不明。市社協は約半額の1220万8698円を45人に案分で弁償する方針。 同容疑者の逮捕容疑は17年7月14日~19年6月17日ごろの間、事業利用者の現金計19万円を横領した疑い。同署は余罪を含め捜査を進めている。 市社協によると、同容疑者は09年から同事業に従事していた。使途不明金は19年7月、県社協の内部調査で発覚。市社協は20年3月25日に同容疑者を停職3カ月の懲戒処分とし、同容疑者は3月末で依願退職。同4月、市社協が同署に刑事告訴した。 一方で当時、利用者から未払いの苦情はなく、弁護士から容疑者への聞き取りでは借金や浪費の兆候は見られなかったという。市社協は「実際に支払いがなかったケースはごく一部と思われる」と主張。利用者の損害額は多くとも使途不明金の半額に満たないとして約半額を弁償するとした。 市社協は「業務の確認方法が不十分で、チェック機能が果たされていなかった。通帳や印鑑などの管理が担当専門員任せになっていた」とし、事業の事務処理状況を確認する職員の増員などの再発防止策を講じているとした。

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