茨城県城里町下古内の資材置き場で2016年2月、古物商の工藤武衛(たけい)さん=当時(77)=が殺害された事件で、強盗致死罪などで起訴された無職、内田潤被告(38)=水戸市=の裁判員裁判初公判が7日、水戸地裁で開かれる。関係者によると、内田被告は起訴内容を認めるとみられ、分離して公判予定の共犯とされる元少年は否認の見通し。元少年の関与を含め、事件の細部がどこまで明らかになるか注目される。捜査関係者によると、工藤さん殺害の3日前、内田被告が別の人物と工藤さんに対する強盗未遂事件を起こしていたことも判明した。 起訴状などによると、内田被告は事件当時19歳だった無職の元少年(25)=ひたちなか市=と共謀し、16年2月1日午前3時から同5時45分ごろまでの間、城里町下古内の工藤さん方敷地内の資材置き場で、工藤さんの頭や顔を殴り、首を両手で締め、顔や両手首に粘着テープを巻き付けるなどして死亡させ、銅線など約6トン(計108万円相当)を奪ったとされる。 捜査関係者によると、工藤さんが死亡する3日前の1月29日、内田被告は別の1人と共謀し、工藤さん方の無施錠の出入り口から銅線などを盗む目的で侵入し、工藤さんの顔面に催涙スプレーを吹き掛け、抵抗され逃走した事件も起こしていたとされる。 強盗致死事件で内田被告と元少年は、同所に積まれた銅線などを盗むためトラックに載せていた際、工藤さんに見つかり、犯行に及んだとみられる。 事件発生から約4年9カ月が経過した20年11月9日、県警は内田被告と元少年を強盗殺人の容疑で逮捕。水戸地検は2人を強盗致死罪で起訴した。同地検は罪名変更の理由を明らかにしていないが、殺意の認定が困難と判断したとみられる。 初公判は7日午前10時から開かれる予定。