インサイダー容疑で3人逮捕 警視庁 コロナ治療薬の内部情報入手

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ジャスダック上場の医療ベンチャー「テラ」(東京)の新型コロナウイルス治療薬などに関する未公開情報を基に違法株取引を行ったなどとして、警視庁捜査2課などは4日、金融商品取引法違反(インサイダー取引)の疑いで、「内田建設」社長の久保田俊明容疑者(53)=横浜市旭区=ら男3人を逮捕した。捜査2課は3人が高騰後に株を売り、約900万円~3千万円超を不当に得たとみて捜査している。 逮捕容疑は、令和2年4~5月、テラ社などによるコロナ治療薬の開発に関する内部情報を事前に入手し、公表前にテラ社の株を買い付けたとしている。 テラ社は、2年4月に医療関連会社「セネジェニックス・ジャパン」(破産手続き中)と業務提携し、幹細胞を用いたコロナ治療薬の開発を進めると発表。5月にはメキシコで臨床研究が開始され、肺炎などの症状の改善がみられたと発表した。 3人はセネ社役員からそれぞれが独自に内部情報を得たとみられ、発表前に株を買い付けていた。テラ社の株価は4月の発表前には100円台で推移していたが、6月には2千円超まで急騰していた。 だが、治療薬の開発は実現せず、テラ社は同年末に事実上撤退。テラ社は昨年8月、メキシコで薬事承認を受けたと開示したことなどは誤りだったとし、臨床試験について「実在性の確証を得るまでに至っていない」などとする社内調査を発表した。

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