京都府福知山市の山中で2020年3月、兵庫県姫路市の男性=当時(47)=の遺体が見つかった事件で、傷害致死と死体遺棄の罪に問われた暴力団組長の男(49)=同市=に対する裁判員裁判の初公判が4日、神戸地裁姫路支部(渡部五郎裁判長)であり、男は「両方の罪に関わっていない」と無罪を主張した。 兵庫県警によると、男は事件当時、特定抗争指定暴力団神戸山口組系組織の組長だった。 起訴状などによると、男は配下の男(43)=殺人罪などで服役中=らと共謀し19年11月、被害男性をなたで切り付けるなどして死なせた上、同年12月に遺体を福知山市まで運び、山林に捨てたとされる。 冒頭陳述で検察側は「組トップの指示で配下の男らが襲撃を決断した」と指摘。弁護側は「暴行を認める指示はしていない」と主張した。 県警は21年2月、暴力団の組織的関与があったとみて、組長の男を殺人容疑などで逮捕したが、地検は「共謀の立証は困難」として、傷害致死罪などで起訴した。事件ではほかに、被害男性の乗用車を燃やした容疑も含めて組員や少年ら計12人が逮捕され、不起訴処分の1人を除いて有罪判決や少年院送致となった。