大津市で2021年8月、無職少年(18)が小学1年の妹(当時6歳)を自宅で暴行して死亡させた事件に絡み、麻薬ケタミンを所持・使用したなどとして麻薬取締法違反などの罪に問われた兄妹の母親(41)の初公判が3日、大津地裁(高橋孝治裁判官)であった。母親は「薬物が家にあるとは思っていませんでした。ケタミンは使っていません」と起訴内容を否認。弁護側は無罪を主張した。 検察側は冒頭陳述で、母親の尿からケタミンが検出されたと指摘。自宅からは母親の血液や薬物が付着した注射器16本が見つかり、母親の指紋が付いた袋に薬物が入っていたと述べた。 起訴状によると、母親は21年8月初旬ごろ、ケタミンを所持・使用した他、大麻や覚醒剤を所持したとされる。 少年は母親、妹との3人暮らしで、21年8月4日に妹への傷害致死容疑で逮捕された。大津家裁は9月17日、少年が1人で家事や妹の世話を余儀なくされていた点などを考慮し、第1種少年院送致の保護処分とした。家裁の決定によると、母親は不在がちで、妹が死亡するまでの7日間も帰宅しなかった。児童相談所なども、少年と妹がネグレクト(育児放棄)状態にあると認識しながら、一時保護などの措置を取らなかった。【菅健吾】