茨城・龍ケ崎官製談合 元副市長に1年6月求刑 東京地裁 検察側「地位を悪用」

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茨城県龍ケ崎市発注の工事を巡り入札情報を漏らしたとして、官製談合防止法違反の罪に問われた元副市長、川村光男被告(65)の論告求刑公判が1日、東京地裁(坂田正史裁判長)で開かれた。検察側は「地位を悪用した」と非難し、懲役1年6月を求刑した。弁護側は無罪を訴え結審した。判決公判は3月9日の予定。 起訴状などによると、副市長だった川村被告は、市契約検査課長だった男性(61)=有罪確定=らと共謀し、2020年12月22日執行の土木工事などの一般競争入札6件に関し、前市長に近く建設業界とつながりがある市社会福祉協議会副会長だった男性(72)=同=に、秘密事項の入札参加申請業者名を事前に伝え、公正な入札を妨害したとされる。 川村被告は初公判で起訴内容を否認し無罪を主張。共謀の有無などが争点となっている。 論告で検察側は、元副会長の求めに応じて業者名を教えるよう元課長に16年4月ごろ指示したとして「共謀は成立する」と指摘した。関与を否定する被告の供述は「不合理な弁解」として、「上位者としての責任は重い」と述べた。 弁護側は「共謀はなかった」と反論。元課長らの証言については「被告に責任を押し付けようとしている」と訴えた。川村被告の漏えい指示に関しては「仮にあったとしても、(事件の)4年半前に一度きり。今回の事件で共謀は認められない」と主張した。 ■「関わってない」 改めて潔白訴え 「立場上の責任はありますが、漏えいは一切知りません。関わっていません」 1日午後、東京地裁第725号法廷。龍ケ崎市の元ナンバー2、川村光男被告は最終意見陳述で、道義的な責任を認めつつ、重ねて潔白を訴えた。 昨年10月の初公判から約4カ月。公判は計7回を数えた。「証明は十分」と自信を見せる検事に、弁護人は「川村さんは無罪」と真っ向から対決した。判決公判は3月9日。逮捕から同月3日で1年となる。 事件への対応が争点となった昨年12月の市長選では、右腕として仕えた前市長が敗北した。傍聴席には空きが目立ち、一時10人近くが傍聴した市議も2人まで減った。

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