東日本大震災の被災地にがれきの撤去作業のために派遣された建設作業員の男性(43)から、未払い賃金の支払いを求められた際に脅したとして、愛知県警捜査4課などは11日、山口組弘道会系組幹部、石神良浩容疑者(35)=名古屋市守山区森孝1=ら暴力団組員2人と建設会社役員、神埜哲容疑者(61)=三重県鈴鹿市寺家3=ら2人を暴力行為等処罰法違反容疑で逮捕した。
捜査関係者によると、男性は今年5月に宮城県へ派遣されたが作業は行われず、9日後に愛知県に戻ったという。県警は暴力団の組織的関与の有無や、神埜容疑者の会社が、実際に仕事を受注していたかなどについて調べを進める。
4人の逮捕容疑は5月25日、未払い賃金12万円の支払いを求めていた男性を名古屋市の喫茶店に呼び出し、脅した疑い。
県警はまた、6月に賃金を受け取りに来た男性をバールで殴ってケガをさせたなどとして、会社役員、沢山加津雄容疑者(38)=名古屋市西区比良3=ら3人を恐喝と傷害容疑で逮捕。捜査関係者によると、男性は沢山容疑者と旧知の仲で、同容疑者の会社と派遣契約を締結。同社が神埜容疑者の会社の下請けにあたる立場だったという。
県警によると、石神容疑者は黙秘、神埜容疑者は「話し合いをしたのは事実」と供述している。