県内に住む男女三人に対し、法定限度の約四十二-五百二十九倍の超高金利で金を貸し付けたなどとして、青森署は二十七日、県警ヤミ金融事犯集中取締本部の応援を得て、都内に住む貸金業の男ら三人を出資法違反と貸金業規制法違反の疑いで逮捕した。今年一月施行の改正出資法で新設された超高金利(一日あたり0.3%を超える利息の契約・受領)違反事実による検挙は県内初。これまでの捜査で、容疑者名義の複数の銀行口座に、全国延べ五百二十八人から総額約一億三千五百三十万円が振り込まれており、当局は余罪や背後関係などを調べている。
逮捕されたのは、東京都墨田区立花五丁目、貸金業及川正義容疑者(42)、同区立花三丁目、貸金業従業員赤間修一容疑者(43)、千葉県船橋市前原西一丁目、元貸金業従業員でアルバイト川口一樹容疑者(26)の三人。いずれも大筋で容疑を認めている。
及川、赤間両容疑者は二十七日午後十一時半すぎ、身柄の置かれていた千葉県警市川署から鉄路でJR青森駅に到着、捜査車両に乗り込み同署に向かった。また、当局は同日、千葉県内の事務所や三容疑者の自宅から債務者一覧表など証拠品約二百点を押収した。
調べによると、都内で貸金業を営んでいた及川容疑者ら三人は共謀の上、今年三月二十日から六月十九日までの間、五回にわたり、いずれも県内在住の会社員男性、主婦、無職女性の三人に計十二万九千円を貸し付け、同年四月二日から七月二十七日までの間、十七回にわたり、三人から及川容疑者名義の銀行口座に、一日あたり0.3%の利息額計六千三百七十九円を大幅に上回る計二十五万円の利息を振り込ませ、受領した疑い。
また、契約締結の際、法令で定める事項について契約内容を明らかにする書面を被害者三人に提示しなかった疑い。
被害者三人は電話帳の広告や口コミで当時都内にあった及川容疑者経営の金融業を知り、電話でやりとりをしていたという。