厚生労働省のキャリア技官で埼玉県保健医療部長に出向していた中村健二容疑者(49)(30日付で同省官房付)らによる科学研究費補助金の詐欺事件で、中村容疑者が旧厚生省の課長補佐在任中にも、担当していた補助金をだまし取っていたことを認める供述をしていることがわかった。
本省キャリアとして補助金を交付する権限を持っていた中村容疑者が立場を悪用し、民間の科学振興を図る目的の補助金を恣意(しい)的に運用した実態が明らかになった。
警視庁捜査2課は週明けにも中村容疑者らを詐欺容疑で再逮捕し、補助金の不正受給の実態を解明する。
中村容疑者は、鹿児島県保健福祉部長に出向中だった2001年度から02年度にかけて、NGO「レインボーブリッヂ」代表代行の小坂博幸容疑者(54)とともに、厚労省が民間の研究班に交付した科学研究費補助金のうち、計約210万円をだまし取ったとして今月9日に逮捕された。